マンガ『ほとんど路上生活』に衝撃を受ける
以前、ナマイキにも吾妻ひでお先生の名著『失踪日記』を参考にしていると書いた。
内容は壮絶なのに、絵が可愛くてポップ、このちぐはぐさが面白いのだ。
笑っていいんだか悪いんだか、こっちが混乱してくる感じがたまらんのだ。
私もそんなブラックユーモアな面白ブログが書ける様になりたい。
そして先日、『失踪日記』に匹敵するほどの衝撃マンガを見つけてしまった。
川路智代著『ほとんど路上生活』だ。
あらすじ
最凶最悪の父親から逃亡した先は宴会場! ?
DVかつギャンブル狂の父親に耐えかね、一家は「夜逃げ」ならぬ「昼逃げ」を決行!
だが、辿りついた新居は、お風呂や台所はおろか玄関のドアすらない宴会場だった…。
本作は、著者が中学生の頃に体験した出来事をもとに描いた物語です。
目を背けたくなるような圧倒的現実をポップに描き、連載をスタートするや、バラエティ番組でも紹介され話題になりました。
今回の単行本化にあたり、この本でしか読めない描き下ろしエピソードや4コマを多数収録しています。
虫との共生、容赦のない雨風、直撃する四季、そして、次々と現れる謎のおじさん軍団…。
ドアがない事によって数々の試練が襲いかかりますが、『昼逃げ』一家は今日も明るく逞しく生きています。
DVでギャンブル狂の父親、一家の昼逃げ、ドアのない宴会場での生活・・・書きようによってはいくらでも暗く湿っぽくなる様な話を、最後まで明るく楽しく見せてくる。
もう笑うしかない・・・という振り切り方が凄まじいのだ。
次から次へと起こる信じがたい体験、それをテンションで最後までもっていく感じ。
自分の役を自分似の子役にやらせているというメタ的な設定や、フォントの使い方も斬新だ。
今、何かしら辛い思いをしている人にこそに見て欲しい。
もう笑うしかないから笑ってしまおうと、そしていつか極上のブラックジョークにしてしまおうと。
私もこのマンガを胸に、「鬱の闘病生活は本当に辛くて長かったけれど、ブログのネタになったからまぁ良し」と思えるその日が来る事を願っている。