心音と寝息は究極の子守歌
オジロマコト著のマンガ『君は放課後インソムニア』が好きすぎて生きるのが辛い。
本作にしろ『富士山さんは思春期』にしろ『猫のお寺の知恩さん』にしろ、そこにあるのはただのありふれた日常のはずなのに、オジロ先生は私の心をガンガン揺さぶってくるのだ。
何でこんな気持ちにさせるんだ!といった具合に。
そしてはたと、私の心にもかろうじて純情が残っていた事に気づかされる。
マンガに出てくる一場面でいいから、私の思春期の思い出としてすり替えられたらどんなに幸せだろう。
あらすじ
青春漫画の旗手が贈る思春期の眠れない夜。
『富士山さんは思春期』『猫のお寺の知恩さん』で一瞬のきらめきのような思春期を描ききったオジロマコト最新作は、
能登を舞台に描かれる“眠れない”高校生の思春期の夜。
不眠で悩む男子高校生・ガンタは同じ悩みを抱えるイサキと出合い、放課後に学校の今は物置になっている天文台で、つかのまの眠りと、秘密を共有するという不思議な関係が始まる……
読めば明るく笑えて、そして彼らと一緒に心地よい眠りに誘われます。
そしてまっすぐに、男の子と女の子の、友達から恋愛への初々しさを描きます。
<あなたの眠れない夜にも、きっと意味がある>
日本人の4人に1人は睡眠障害を抱え、10代の不眠症も急増していると言われる現代、くたびれているのに眠れない、つらくながい夜に「もうひとりぼっちじゃない」と言ってくれる作品です。
※インソムニア=不眠症
まず何よりも、主人公の二人が不眠症に悩んでいるという設定に魅せられた。
何を隠そう私も万年睡眠障害、共感せずにはいられない。
眠いのに寝られない辛さが痛い程伝わってくる。
特にクラスでは元気っ子の曲ちゃんが、中見君の前で淡々とつぶやくセリフにはハッとさせられる。
「雨と、心臓や呼吸はリズムが同じで、だからおちつくんだって。
中見の心臓の音がいちばんいい。」
確かに、私も旦那の心音、呼吸音を聞いている時が一番安眠出来る気がする。
狭小住宅の為、お互い別々のシングルに寝ているが、寝る前にそれに近い音声を聞けば、入眠がスムーズになるかもしれない。
YouTubeで探してみると、音声動画『心音と寝息1時間』にたどり着いた。
数秒聞いただけで、「これだ!」と思った。
心なしか、旦那のそれに似ている気もする。
という訳で、就寝前のBGMはラジオ→ヒーリングミュージック→ピアノ→テクノ法要という変遷を辿り、今は『心音と寝息1時間』に落ち着いた。