髙嶋兄のせきららエッセイ『変態紳士』が凄まじい
吉田豪氏が激推ししていてずっと気になっていた、髙嶋政宏著『変態紳士』を読んだ。
ただただ圧倒された。
かつて俳優のエッセイで、これ程せきららなものがあっただろうか?いや、ない。
高嶋政宏氏(通称・高嶋兄)には元より「変わった人」という印象を持っていたが、ここまでとは。
というか、まず表紙!これ関係者諸々的にいいの?!
内容紹介
ここ最近の高嶋政宏がちょっと変だ。
バラエティ番組でSM好きを公言し、妻(シルビア・グラブ)への異常なまでの愛情を披露、さらには変態的なグルメリポートに……とにわかに話題をよんでいる。
そしてこの、ぎりぎりアウトな髭面である。
「いったいカレに何が!?」「人ってこんなに変わるもの!?」
本書では本人があるきっかけを経て、いわく『変態』へと生まれ変わっていく様子を描き、その先に見えてきたという“生きやすい人生”についてをまとめました。
穏やかでマジメに「SM」「スピリチャル」「フェチ」「グルメ」「嫁コンプレックス」などについて綴る、50代おっさんの変態エッセイです。
やはり特筆すべきは、「SM」「フェチ」といった自身の性的嗜好に関する記述(スピリチャルも結構キテいる)。
私がSMショーの素晴らしさを理解する事は、恐らく一生ないだろう。
ただ、SMショーの素晴らしさを何とか伝えようとする高嶋兄の姿勢には大いに共感した。
好きなものを好きな様に語っている時って本当に楽しい。
趣味や嗜好は誰にも邪魔されない、自分の自由を謳歌出来る場所だ。
考えてみれば、"性"って自分の管理下に置かれたものすごくプライベートな物だから、人を傷つけたり法を犯したりしなければ、好きな様にしていいんだよな。
高嶋兄、あなただけは何者にも縛られず、自由でいて欲しい。
そんな訳で、読後感は非常に良い。
本著は"生きやすい人生"を模索した一人の男の冒険譚であり、至極真っ当で普遍的なテーマを扱っているともとれる。
「一度きりの人生、変なしがらみなんか捨てて、何だってやってやろう!」という活力が自然と湧いてくるのだ。
ちなみに当方、変わった性的嗜好は無く、フェチズムに興味を持ったこともない。
しかしそれは単なる思い込みで、心の内に開かずの扉をいくつも隠し持っているかもしれない。
世の中、知らない事が多すぎる。
試してみない分からないものだらけだ。
今度試しにドンキのエロコーナーにでも行ってみようか(レポート記事は書きません)。