金魚放流事件
これまで何度か、母(毒親)が起こしたペット関連の事件を紹介してきた。
彼女の愛着スタイルは実に独特だ。
どれだけ可愛がっていても都合が悪くなると、いとも簡単に見切りをつける。
ある日、自分が書いたものを見返していてふと気が付いた。
そういえば、私が最も衝撃を受けた事件について書いていなかったと。
あれは幼少期、我が家では常時金魚を飼っていた。
確か幼稚園のお楽しみ会でもらってきたのが最初だったと思う。
その後、縁日の金魚すくいでゲットしたり、友人からもらったり、突然死んでしまったりでメンバー交代を繰り返しながら、金魚は暮らしに定着していった。
幼かった私はエサをあげるぐらいしか飼育に参加出来ず、水槽の掃除などの面倒な作業は母に投げざるを得なかった。
母はそれに嫌気がさしたのだろう、ある日唐突に「もう金魚はいいよね?」と言ってきた。
その問いにどう返したかは覚えていないが(多少抵抗はした気がする)、最終的に「もう金魚はいい」に賛同させられた。
車に金魚を乗せて、やって来たのは夜の市役所。
そこには立派な錦鯉の池があった。
そこに躊躇無く金魚を放流する母。
錦鯉だけの空間に紛れ込んだ4匹の金魚。
うさばら氏:いいの?ねぇいいの?
母:いいの!いいのよ!
不毛なやり取りが5回ほど繰り返された後、母は私の手を引っ張り、逃げる様にその場を去った。
私の心は罪悪感でいっぱいになった。
金魚はあの環境で生きられるのか?
鯉にいじめられやしないか?
私たちがやった事は、本当に間違っていないのか?
今問いたい。
母さん、我が家のあの金魚どうしたでしょうね。