この鬱がすごい!

2018年重度のうつ病を発症。必死のリハビリも虚しく、社会からドロップアウト。神経性疾患多数あり。

画期的お仕事マンガ『無能の鷹』に脱帽

鬱がどうにもならず、社会からドロップアウトして1年が経った。
やむを得なかったとはいえ、正直未だに傷ついている。

f:id:usbrs4649:20200516174225p:plain


お仕事マンガ(及び映画・ドラマ・小説)は、長らく避けている。
「私だって働きたかったのに」がどんどん溢れて止まらなくなるからだ。


そんなさなか、はんざき朝未著のマンガ『無能の鷹』に出会った。
読了後、自らの社会人生活を振り返り、「何をあんなに頑張っていたのだろう」と思える様になった。


上司からのパワハラモラハラに耐えながら畑違いの仕事を大量にこなし、脳みそがブチ壊れてしまった「私の様な人」にこそ読んで欲しい。

 

f:id:usbrs4649:20200709121149j:plain

無能の鷹(1) (Kissコミックス)

無能の鷹(1) (Kissコミックス)

 

あらすじ
就活で鶸田が出会ったのは、一目でわかる「デキる人」・鷹野ツメ子。
一方、鶸田は見るからに気弱そうだが、実はポテンシャルを秘めた人間だった。
同期入社を果たしたふたりは1年後、最強タッグを組む!

 
主人公の鷹野は、仕事がデキそうに見えて、びっくりするほど何もデキない。
何もデキないと見せかけて、実は特殊能力を隠し持っていた!的な展開もない。


というか、努力を全面的に放棄している。
もちろん、仕事に対する責任感も皆無。


この、「主人公が一切成長しない」という点が、お仕事マンガとして非常に画期的だと思う。
『無能の鷹』を読んでいて、心に浮かんだ言葉がある。


「人間ダメでも死なないが、" 自分はダメだ " という思いは簡単に人を殺す」


鷹野は絶望的にダメだが、いつも胸を張って堂々としている。
その姿は、(根拠のない)自信に満ちている。

f:id:usbrs4649:20200709160016p:plain


会社で評価が低かろうと、直接嫌味を言われようと、誰にも必要とされず孤立しようと、ノーダメージ。


危険なのは、それら「周囲の声」が「自分で自分を責める気持ち」と繋がってしまう事なのだろう。
それさえクリアすれば潰れない、別にダメだって死にやしないのだ。


そういえば、このマンガに出てくる「俺は一目でデキるかデキないか分かる」とか抜かす営業部長、昔勤めていた証券会社に実際いた。
なんでも、「これまでのキャリアでたくさんの若手を見てきたから、すぐに本質を見抜ける」と言うのだ。

f:id:usbrs4649:20200709160026p:plain


彼がかつて褒め讃えていた一期先輩のマッチョ(仮名)は、客の金1千万だまし取って逮捕された。
「お客さんの為を思って誰よりも頑張っているまともな奴」とか言ってたが、あれは何だったんだ。


今度会う事があったら、地獄の果てまで問い詰めたい。

 


<自分よりダメな人シリーズ>

www.konoutsu.com

www.konoutsu.com

www.konoutsu.com