この鬱がすごい!

2018年重度のうつ病を発症。必死のリハビリも虚しく、社会からドロップアウト。神経性疾患多数あり。

マンガ『違国日記』が容赦ない、これは俺の物語だ!

各所で絶賛されていて気になっていた、ヤマシタトモコ著のマンガ『違国日記』を1~5巻まで一気に読んだ。


いやぁ、こういうマンガだったとは!
大まかなあらすじは知っていたものの!

 

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違国日記(1) (FEEL COMICS swing)

違国日記(1) (FEEL COMICS swing)

 

あらすじ
35歳、少女小説家(亡き母の妹)。
15歳、女子中学生(姉の遺児)。
女王と子犬は2人暮らし。
少女小説家の高代槙生(こうだいまきお)(35)は姉夫婦の葬式で遺児の・朝(あさ)(15)が親戚間をたらい回しにされているのを見過ごせず、勢いで引き取ることにした。しかし姪を連れ帰ったものの、翌日には我に返り、持ち前の人見知りが発動。
槙生は、誰かと暮らすのには不向きな自分の性格を忘れていた・・・・・・。
対する朝は、人見知りもなく、“大人らしくない大人”・槙生との暮らしをもの珍しくも素直に受け止めていく。
不器用人間と子犬のような姪がおくる年の差同居譚、手さぐり暮らしの第1巻!


ヤマシタ先生の人物描写があまりにも上手いので、読中かなり感情を揺さぶられる。
共感して辛くなったり、ふとしたセリフに癒されたり、一人で読んでいるのに気まずくなったり・・・


「血は繋がっていないけど、心で繋がってるよね!」みたいな安い疑似家族マンガをイメージして入ると、かなり面食らうはずだ。
自分がティーンだったら、太刀打ち出来なかっただろう。

人間って多面体で、それ故に完全に理解するのは不可能で、ちょっとした食い違いで大げさに揉めたりして、それでもどこか分かり合えるんじゃないかと希望を持ったりして、何だかんだ愛おしい生き物だな。

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このマンガ同様、現実世界でも"完全なる悪人"なんて中々いない。
誰かにとって凶悪でも、誰かにとっては天使だったりして混乱する。


この作品がどこに着地するか、全く予想がつかない。
一読者としては、いつか槙生ちゃんと朝がどこか一部分でも分かり合って、同居して良かったと心から思える日が来て欲しいなと願っている。


個人的には、朝の母であり槙生の姉である"実里(みのり)"がまんまうちの母だった点にもやられた。
「お母さんしか言ってあげられないから」と前置きして暴言吐いたり、自分の好きな物を全否定されたり、やる事なす事許可が必要だったり・・・呪いだよね、分かるよ。

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「実里の呪縛からの脱却」という意味では、槙生ちゃんと朝の生き直しの物語でもあるのだろう。
少しでも生きやすくなる様生き直そう、私も入れて3人で。