鬱が爆発した日⑤
リバーさんが眼中から消え失せた後、私は何とか平静を取り戻し、仕事を再開した。
脳みそはとうに極限を迎えていて、嘘かと思うほど処理能力が低い。
何とかしなきゃという焦りで、動作はせかせかしている。
しかしパソコン画面の中では、フォルダーを開けては閉じ、開けては閉じの不毛な無限ループが続いた。
そうこうしていると、またのっそのっそとやって来た。
リバーさんだ。
空いている隣の席に座り、いつものをされる。
リバーさん:これね、ニューリリースの所が間違ってる。何でこうしたの?ちゃんと確認したの?
うさばら氏:・・・・・・確認したと思うんですが。
リバーさん:じゃあ何でこんな書き方になるの?本当に確認したの?どうやって確認したのか今やって。
うさばら氏:・・・・・・・・・
その頃うちのチームは、情報共有が上手くいっていると言い難かった。
この時も、「聞いてねえんだよ!ちゃんと伝えろよ!」とブチ切れられたらどんなに楽だったか。
リバーさんの目の前で、地獄の実演作業がはじまった。
『パスワードを探して打ち込んで・・・・・・・・・あれ、、、違う。
これだったはずなのに・・・・・・・・・
あ間違えた、、、こっちだったか。』
『いやこれもハジかれる。
何がマズいんだ?』
もはや、自分がどこに何を打っているのかも分からなかった。
大文字なのか、小文字なのか、ひらがななのか、カタカナなのか、漢字なのか、数字なのか、アルファベットなのか、記号なのか、IDなのか、PWなのか・・・・・・・・・
リバーさんが茶々を入れる。
リバーさん:さっき自分で確認したって言いましたよね?うさばら氏さんって自分のやった事すぐ忘れる。1つずつちゃんとやって。はい最初から。
1つずつちゃんと出来ないから困っている。
やれる事は全部やった。
『もう、これ以上どうしていいか分からない。』
急に涙が出てきた。
どんどん溢れて止まらない。
もうどうでもいい、全て終わったのだ。