壁見てる
「休職中何してるの?」とよく聞かれた。
会社にも行かないし、遊びまわる事もない。
かといって自宅で映画・マンガ・YouTube等に興じる訳でもない。
毎日ちょっとずつ家事をこなす生活。
となればありあまる時間をどう処理しているのか、気になるのも当然だろう。
結論から言うと、壁見てた。
横になったり、仰向けになったり、立ち上がって少し移動したりして、ひたすら部屋の壁を見ていた。
心も体も究極的にダル重だった上、ものに対する興味が一切消え失せていたので、もう壁を見るしかなかった。
飽きたら畳を見て、ガラスを見て、くうを仰いで、再び壁を見る。
無為な時間に思えるだろうが、それ以外選択肢がないのだ。
人間が活動する為の、ありとあらゆる能力を失っていた(休職してしばらく経つと、壁を見る以外も少しずつ出来る様になるのだが、それはまた別のお話)。
今でも疲弊すると、たまに壁を見てしまう。
私の一番好きな妖怪、間違えなくぬり壁です。
大きくてぬぼーっとした感じが癒される。