証券会社が喫茶店に業種転換した話
証券会社時代、度肝を抜かれた事がある。
ある日突然、勤め先近くの某証券会社が喫茶店になったのだ。
テナントが入れ替わったのではない。
某証券会社が、証券業から飲食業へ業種転換したのだ。
要するに、「うさばら証券(仮名)」が「うさばら珈琲(仮名)」になったという事。
これは、証券業をやりながら・・・なんて甘ったれた話ではない。
まごうことなき完全転換。
つまり、この前まで証券会社で営業やディーラーをしていた人間が、突然おいしい珈琲を入れる様、命じられるという事。
そこらへんの人事異動とはまるでレベル違う。
あまりに気になったので、一度だけその喫茶店を訪れた事がある。
店内は、ルノアールっぽい落ち着いた雰囲気で、珈琲も美味しかった。
喫茶店はすぐになくなってしまったけれど、あのえんじ系で統一された店内を、私は忘れない。