抗うつ剤を投入ス、その後
初抗うつ剤を投入した次の日、午後3時に突如異変が襲ってきた。
目がくるくる回る。
耳に入る音すべてが、不協和音を奏でている。
血の気もどんどん引いて、座っていても気持ち悪い。
船酔いしているみたいだった。
それでも30分間なんとかその場に居座ってみたけれど、良くなるどころかどんどん悪化してくる。
次第に息も苦しくなり、狭いオフィスの中にいるのが苦痛で苦痛でしかたなくなった。
パソコン画面のブルーライトが脳に突き刺さる。
逃げたい。
横になりたい。
この時会議でリーダー一同が出払っていたので、バイトの男の子にそっと耳打ちした。
うさばら氏:ちょっと体調悪いから、先帰るね。リーダーに伝えといて。ごめんね。
バイトくん:は、はぁ・・・
こっちは死ぬ思いなのに、平然としているのにイラっとした。
私以外が健康なのがムカつく。
全くもって自己中心的な考えだ。
でも、それだけ余裕がなかった。
逃げるようにこっそり会社を出て、駅に向かった。
気づいたら泣いていた。
電車の中でも周りを気にせず泣いた。
家に帰って布団にくるまったら、もっと泣いた。
情けなくて悔しくて申し訳なくて、わんわん泣いた。
恐らく抗うつ剤の副作用なのだろう。
飲み始めは「かえって悪くなった」と感じる事が多々あるらしい。
それでも気にせず飲み続ける事が大事なのだ。
幸い私は生真面目な性格で、医師の言うことをきっちりやる人間だから、その後も服用をやめなかった。
これは自分に助けられた。
そしてこの早退からしばらく、私は会社に行けなくなった。