徘徊する鬱
2018年5月23日の午後10時半、私は会社を出て夜の街をさまよっていた。
目的は自殺に適した場所を見つける事。
少し歩くと、広めの公園を発見した。
奥は薄暗く、完全に都会の死角となっていた。
ここならいいかもしれない、ちょうどあそこの幹がいい・・・
死に場所は、あっさり決まってしまった。
社員証の紐をかければ自殺出来るはず。
イメージトレーニングは完璧だった。
iPhoneのメモ帳に遺書を書いた。
もう消してしまったが、3行ぐらいの短いものだったと思う。
・もうどうしようもなく自分は追い込まれてしまった
・今の会社の人は悪くない
・前の会社の女上司と人事にはひどく傷つけられたので、責任を追求するならばそっちにして欲しい
・・・という旨を簡潔に書いた。
遺書を書き終えた後にLINEのメッセージが来ている事に気づいた。
彼氏からだった。
いや、彼氏おるんかーーーい!!!!
この頃、体調的にも精神的にもかなり辛い旨を頻繁に伝えていた。
メッセージは、それを気遣うものだった。
「もう限界を越えていて、自分はダメになってしまった」と返信した。
すると「今から電話出来ないか」とメッセージが来た。
人と話す気力がなかったので、保留にした。
今思えば本当に申し訳ない事をしたと思う。
既読がついたままメッセージも電話も来ない数十分間、彼がどれだけ不安だったか。
そんな事にも思いが及ばないほど、私は混乱していた。