転職戦記⑪~手ごたえってこういう事か~
2018年の正月明け、私はコメダ珈琲荻窪店で次なる一手を考えていた。
まずはリクルートページで、自分が受かりそうな企業をひたすら厳選する。
これまでの自分の経歴、会社の雰囲気、入社の難易度などを加味し、総合的に判断する。
そうして、新に5社ほどエントリーした。
マサル(リクルーター)から山ほど求人情報が送られてきたが、ほとんど無視した。
そして、急に面接が決まってもテンパらない様、5社全ての志望動機をガッチガチに固めておく。
結果、書類審査に落ちて無駄になったとしても構わない。
さらに、自分がそこで働いている姿をイメージし、やれる事・やりたい事を出せるだけ出す。
ここで入会していたオンラインスクールが大いに役に立った。
講師が言っている内容を、受ける企業に合わせて加工し、さも自分が今思いついたかの様に面接の場で言えばいいのだ。
演技力には自信があった。
そうして万全の体制で向かったのは、金融系企業E社マーケティング職の面接。
大雪の中、E社のある神田へと向かう。
受付を済ませると個室へ通され、ポーカーフェイスの男性面接官が入ってきた。
面接官:はじめまして、〇〇と申します。本日は足下の悪い中お越しいただいて、ありがとうございます。
うさばら氏:うさばら氏と申します。よろしくお願いします。
面接官:それではさっそく、志望理由の方をお願いします。
うさばら氏:はい。ペラペラペラペラ・・・
自分の言葉に魂が乗っている感じがした。
いい感じで面接官と意志の疎通が取れている。
緊張の中に高揚感があった。
面接官:いやぁうさばら氏さんは、自分の考えがしっかりしてますね。最近何人か面接したんですが、正直全然ダメで・・・
うさばら氏:ありがとうございます!
面接官のポーカーフェイスが完全に崩れた。
勝ったと思った。
結果は、タイピングテストのスコアが悪かった為、不合格だったのだが・・・今でも負けてはいないと思っている。