『最強伝説 黒沢』が心の穴を埋めてくれた
5月末、敬愛するまんきつ先生著『湯遊ワンダーランド』が最終3巻を持って終わってしまった。
希望的観測込みで、30巻ぐらいまで出るものと勝手に思い込んでいたので、これにはかなり面食らった。
私にサウナの素晴らしさを教えてくれたマンガ、私のライフスタイルに彩りを加えてくれたマンガ、それが終わったのだ。
その喪失感たるや、想像を絶するものだった。
心にぽっかり穴が開いてしまったようだ。
私は探していた、この穴を塞いでくれるものを。
そしてふと思い出した、Kindleの毎月1冊無料サービスで読んだ『最強伝説 黒沢』を。
1巻のみしか読んでいないが、非常に面白かった。
福本伸行先生の作品は初めてだったが、これほど肌に合うとは思わなかった。
そうだ、『湯遊』で空いた心の穴を、『黒沢』で埋めよう!
私は自分への誕生日プレゼントに『最強伝説 黒沢』全11巻をKindleにて購入した。
- 作者: 福本伸行
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/11/01
- メディア: コミック
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あらすじ
2002年12月、土木作業監督・黒沢(くろさわ)は、自分の人生があまりにも満ち足りていないことに焦りを覚え、「人望が欲しい・・・!」という自らの欲求に気付く。44歳の誕生日を迎え、それを機に生き方を変えようと奮闘する。「カイジ」「アカギ」「銀と金」とは、また違う福本ワールドがここにある。
黒沢は私を魅了した。
こんなに人間くさいマンガの主人公がかつていただろうか。
彼は不器用ながらもまっすぐに生きている。
情に弱くすぐほだされる、おだてられれば調子に乗る、人望がある後輩社員に嫉妬する、アジフライを配るetc・・・
少年のごとく素直なのだ。
そのくせ人生の本質をさらっと言ってのける。
これがまた、疲弊しきったうつ病患者(私)に刺さりまくるのだ。
最高にかっこわるくて、最高にかっこいい。
ホームレスのおっさんとのエピソードなんて、今まさに読まれるべきだ。
『オレ達も働いた。おまえらの何倍も働き、その税金とやらも、納めてきた、何倍も!が、働けなくなった!
ガキ共、あるんだよ!そういう事が、この世には!』
知恵だけつけた差別主義者に聞かせてやりたいセリフである。
気が付けば私の心の穴は埋まっていた。
完全に満たされていた。
そして『最強伝説 黒沢』全11巻を読み終えた今、再び喪失感で心にぽっかり穴が空いた。
ふりだしに戻った。