毒親育ちの兄弟喧嘩
今でこそ、それなりに仲の良い我々兄弟だが、幼少期から思春期にかけては喧嘩が絶えなかった。
少しでも気にくわない事が起こると、金切り声を上げて相手に怒りをぶつける。
ぶつけられた側は、特になだめる事もせず、反射的に金切り声で応戦する。
この際発せられるのは、「ふざけんな」「バカ」「クズ」「死ね」などの幼稚な罵りワード。
おおよそ会話文にはなっていない。
タチが悪い事に「近所迷惑」という概念がないので、声はどんどん大きくなる。
その内殴り合い・蹴り合いが始まり、どちらかが号泣するか流血するまで喧嘩は続く。
喧嘩に気づいた母は、「何で兄弟仲良く出来ないのよ!そんなに私を困らせたいの?」とこちらも金切り声で発狂する。
まさに集団ヒステリー、地獄絵図である。
我々兄弟は、「相手の言い分を聞き、話し合いで解決する」という方法を教えられてこなかった。
その為、相手に譲歩するという発想もなかった。
「自分は絶対的に正しくて、思い通りに事が進むのは当たり前。それを邪魔するような奴は人格全否定しても可。」という母のイカれた思想をそのまま引き継いでいた。
あぁ恐ろしや、恐ろしや。