毒親、ゴミ屋敷出るってよ⑥
母(毒親)がマンション(ゴミ屋敷)から建売住宅(祖母に一括で買ってもらった)に引っ越す。
それだけの事なのに、なぜこんなに大変なのだろう。
理由は明白、母がホーダー(物が捨てられず溜め込む病気)且つ、話の通じない相手だから。
母のしつこいメール攻撃に耐えつつ代わりに不用品処分を行い、母の暴走が故に増えた作業もこなしているから。
そんな日々も今日でおさらば。
訪問3日目、引っ越し予定日は明後日、母と5年間暮らしたこのマンションに入るのも最後。
見事なまでにいい思い出がない。
何度も発狂しかけた。
事故物件にならなかったのが奇跡に思えるこの場所。
物が多い部屋はいるだけで精神が削られる。
その上、ヒステリック中年女性がオプションで付いていたのだ、よくもまぁ耐えられたものだ。
ブックオフの出張買取を済ませ、わずかに残っている私物をバックパックに詰める。
後は可能な限り、母が捨てられない不用品を代わりに捨てていく。
作業を開始して間もなく、恐ろしい事実に気が付いた。
捨てたはずの物が元に戻っている。
10年以上引き出しの奥底に眠っていたテディベアの人形、今後決して使う事はないであろう染みだらけのノート、ホテルのアメニティが大量につまった巾着袋etc・・・
どうやら母はゴミ捨て場のゴミ袋を持ち帰り、開封して「まだ使えるもの」を取り出したらしい。
そうだ、こういう事をするから、最後に液体をまいて取り出せない様にしてから封をしなければいけないんだった。
私の今までの努力は一体何だったのだろう。
唖然としながら、周囲を見渡した。
これが引っ越しを明後日に控えた部屋か?
とにかく全部持っていこうとしている。
母に「断捨離」という概念が根付く事は、今もこれからも無い。
あの人の「頑なに捨てない」パワーはどこから来ているのだろう。
私の負けだ。
これ以上戦えない、撤退させてもらう。
やはり母が死なない限り、片付けは不可能だ。
20年後どうなっているか・・・恐ろしさが過ぎるので考えない様にしておこう。