デパス依存症だった私
断薬して、その後の離脱症状で苦しみ抜いて、はじめて分かった。
どうやら私は、立派なデパス依存症だった様だ。
ネット情報によると、早ければ飲み始めて1ヶ月で依存性が形成されるらしい。
そんな薬を1年4ヶ月も飲んでいたのだ、無理もない。
最初は1日1.5mg、徐々に減らして何とか1日0.5mgまでいったものの、中々0に出来なかった。
少し減らしただけで、冷や汗が止まらなくなる。
断ち切るなんて、不可能に思えた。
デパスは劇薬。
それでも重度の鬱を患った私にとっては、魔法の薬だった。
即効性があり、飲むと脳が蘇る。
数ヶ月ではあったが職場復帰出来たのも、ごく短い時間ならば外出を楽しめたのも、すべてデパスのおかげと言える。
精神的にも肉体的にも、直径3mmの錠剤に頼りきっていた。
たまたま対象が合法だったというだけで、原理は薬物中毒者と同じである。
それでも私は、デパスを服用した事を悔やんではいない。
処方した医師を責める気持ちもない。
あの時は、それしか選択肢がなかったのだ。
状況は逼迫していた。
ただ、これから薬物療法による鬱治療を受ける人に伝えたい。
デパスは、離脱症状が非常に苦しく、一度手を出すと断ち切るのが困難な事をよく理解してから服用して欲しい。
医師も、その旨を患者にちゃんと説明して欲しい。
安易に手を出すのは危険だ。
"最後の手段"ぐらいに思っていて欲しい。
赤の他人であっても、あんな地獄、なるべく味わって欲しくないのだ。