この鬱がすごい!

2018年重度のうつ病を発症。必死のリハビリも虚しく、社会からドロップアウト。神経性疾患多数あり。

キレイ事なし!出産育児エッセイ『ママだって、人間』が面白い

当方、出産育児エッセイなるものに苦手意識を持っている。


「うちの子って可愛いでしょ!」を強要してくる感じ、何の新鮮味もない母親あるあるで共感を促してくる感じ、少しでもズレた事を書くと簡単にコメント欄が炎上する感じ・・・SNSで軽く目にしただけで息苦しくなる。

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もちろん、そんな作品ばかりではない事は分かっているのだが、どうも食指が伸びない。


そんな私でも「これは読みたい!」と心から思えた出産育児エッセイ、田房永子著のマンガ『ママだって、人間』を紹介ここにさせていただきたい。

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内容紹介
あふれ出るこの想い、〈母性〉じゃなくてもいいですか!?
妊婦のセックスから、産後ママのバトルまで、タブーなし、修正なし、待ったなしの、一線を超えた出産育児コミックエッセイ登場!
あの超話題作『母がしんどい』で実母との戦いを描いた著者が、今度は一児の母になって、育児マンガの常識とタブーを破る!
「妊娠したら性欲は二の次」「陣痛は痛い」「育児は大変」「母乳が一番」・・・・・・
すごくよく聞くフレーズだけど、実際に妊婦&ママになってみると違和感だらけ!
これって一体どういうこと?
32歳A型の新米ママ・エイコは今日もいちいち立ち止まる!

ママだって、人間

ママだって、人間

  • 作者:田房 永子
  • 発売日: 2014/03/14
  • メディア: 単行本
 

 
きっかけは、田房氏が私と同じ毒親育ちであった事。
「何か参考になるのでは」と思い、手に取った(といっても田房氏の毒親レベルは凄まじく、私とは比べものにならないのだが)。


こんなにあけすけな出産育児エッセイが他にあるだろうか。
この作品には、「子供は親を選んで産まれてくるんです!」に代表される様な、母親側にとってひたすら都合の良いキレイ事が一切ない。


まず単純に笑える。
この点だけで、性別・年齢・子供の有無問わず、万人に勧められる。
個人的には、顔の描写の容赦なさがツボである。

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加えて、あけすけだからこその説得力があり、非常に参考になる(毒親育ち云々に関係なく)。
「妊娠中・出産後のセックス」等々、皆表に出さないだけで、関心がない訳ないのである。


田房氏を見ていると、これから出産・育児を経験しても、私は私のままでいられる気がしてきた。

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母といえど一人の人間であり、個性があって然るべき。
故に、既存の「母とはこうあるべき!」という枠にハマらなくても大丈夫なのだろうと。