新婚旅行が香川になった③
次第に、"香川新婚旅行"というワードに違和感を感じなくなってきた。
新婚旅行はもう海外ではないのかもしれない。
クリエイティビティのある人は国内、確かアラーキーの新婚旅行も京都とかだった。
3日目、前日にあれ程がっついていたホテルの朝食を華麗にパスした。
もったいない気もするが、今日は行ける所までうどんを喰らう日なので仕方がない。
「うどん以外のものは口にしない」ぐらいの気概が必要なのだ。
午前10時、最初の目的地『手打十段 うどんバカ一代』に到着すると、既に10人程が列をなしていた。
店内の人々は一心不乱にうどんをかき込んでいる。
私も早くそっち側の人間になりたい。
注文したのは、名物の「釜バターうどん」。
卵・バター・ネギ・天かす・粗挽きコショウのバランスが絶妙でハチャメチャに美味い。
全釜たまファンに食してもらいたい一品である。
ここからはレンタカーでの移動となる。
国道沿いを走っていると、長い行列を発見した。
本日の2件目『日の出製麺所』である。
昼の1時間しか営業していない事もあり、店内はさながら戦争状態。
並んでいる時に女将さんが一気に注文を取り、店に通されるとほどなくして麺が届くのだが、あれはどういう仕組みになっているのだろう。
老舗のオペレーションは凄い。
注文したのは「ぬるい小」(温度と量の組み合わせで注文する)、これにトッピングでお揚げを追加する。
麺がツヤツヤのモチモチのフワフワで、勘弁して欲しかった。
これがなんと180円(ぬるい小120円、お揚げ60円)というから、製麺所系うどん店は恐ろしい。
もう東京のチェーン系うどん店には行けない体にされてしまった。
すっかりうどんハイになった我々は、3件目『宮川製麺所』へ。
注文した「うどん小」にたっぷりのイリコ出汁を注いでいただく。
大げさではなく、いままで飲んだ出汁の中で一番美味かった。
椀の中で泳ぎたいと思った。
こちらも製麺所系うどん店で、お値段衝撃の190円。
もはやお金を貰っている様なものだ。
「もう1件なら何とかイケる!」と胃袋に気合いを入れ直し、我々は4件目向かった。
サッパリめのメニューを注文し、執念でうどんに喰らいつく。
うん・・・いや美味いんだけど・・・普通?
最後の最後で店選びに失敗した。
うどんハイでバグっていた満腹中枢が冷静さを取り戻し、急激に満腹感が襲って来る。
ここで、今回の新婚旅行の全行程が終わった。
炭水化物と胎児でパンパンになったお腹でJALに乗る。
この3日間うどんの栄養素を胎盤に送り込み続けてきた。
きっと、産まれてくる子供はうどん好きだろう。
今度は3人でうどんの国に入国したいものだ。