妊娠を役所に報告する
妊娠したら役所に報告しなければならないと、風の噂で聞いた（風の噂というかネットで見た）。
妊娠判定書をドヤ顔で職員に見せつけると、妊婦検診の費用控除用紙がもらえるとの事。
昔学校で、出産にはざっと100万かかると習い、今日までそれを信じていたが、どうやらそこまでかからないらしい。
旦那に"出産費100万説"を唱えたら、「そんなかかるなら誰も子供を産まない」と一蹴された。
万年不安症の私は、多めに見積もって貯金をしていたので、何となく得した気分になった。
余ったお金で、電気圧力鍋のいいやつ買いたいなと思った。
役所訪問当日は猛暑、例のごとくマスク内の熱気と鬱で、あり得ない程ぼーっとしていた。
所定の窓口で職員から色々な資料が渡され、色々な説明を受ける。
ほとんど頭に入ってこなかったが、区の支援が結構手厚い事は理解した。
最後に妊婦マークとアベノマスク2枚を受け取る。
そこでハッとした。
職員が「お前大丈夫か？」と問いかけるような眼差しを私に向けているのだ。
それは妊娠判定の際の、医師の眼差しと同じものだった。
まさかと思い、帰り際トイレに立ち寄ると、またしても尋問を受けている万引き主婦の様な顔をした自分がいた。
依然として、体中が不安と緊張で一杯なのだ。
妊婦からは幸せホルモンが分泌され、幸せオーラが出ると風の噂で聞いた（風の噂というかネットで見た）。
今の私はその真逆、冴えない主婦オーラ満載の、旦那がもうすぐ迎えに来る系万引き主婦だ。
