初めての妊婦検診
妊娠11週目、満を持して妊婦検診に臨んだ。
初回はやる事が多いと聞いている。
なかやまきんに君ばりに朝ご飯を一杯食べてから、病院に向かった。
うつ病の朦朧とした頭では、元気を出す方法といえばそれぐらいしか思いつかないのである。
到着するやいなや、血圧・体温・体重・検尿を要求された。
ミスの無いよう気を張るも、うっかり検尿用トイレを間違え、またしても尿片手に廊下を歩く事となった。
距離にして約20メートル、すれ違う病院職員・妊婦に尿を見せびらかす。
私はいつも検尿でミスる。
それでも、病院中をくまなく徘徊し、尿を見せびらかしまくった前回と比べれば、進歩したと言える。
その後、血を取られたり、ナースステーションで質問に答えたり、言われるがままに色々やった様な気がするが、ほとんど覚えていない。
鬱とつわりとマスクの熱気で、ほとんど意識を失っていた。
なんとか分娩台にたどり着いたのは、開始から実に1時間半後の事だった。
担当は化粧っけの無いベテラン女医、テキパキと仕事をこなす姿にしばし見惚れた。
私ももっと高い志を持って努力を続けていれば、医者という道もあったかもしれない・・・
そんな事をぼんやり思っていると、医師から衝撃の一言が。
医師:カンジタですね。
薬入れときますので清潔に保って下さい。
医師:あと血圧が高いのと、体重が増えすぎなんで、栄養士の所に行って指導を受けてきて下さい。
私はとんだ不良妊婦だった。