不良妊婦、母校に帰る
あれは、ベンゾジアゼピン系精神薬の離脱症状の急性期をようやく抜けた頃だっただろうか。
妊婦検診に行くと、体重が4キロ減っていた。
離脱症状と戦っている内に、「胎児の体重を増やしながら妊婦自身はガッツリ痩せる」というプチ偉業を知らぬ間に達成していたのだ。
医師や看護師があまりに誉めそやすので、「前回の栄養指導で更正し、赤子の為に必死の努力で痩せた」という事にしておいた。
この国では、「元々真面目一本で頑張ってきた者」よりも、「一度グレたあと更正した者」の方を高く評価する事が度々ある。
まぁこの後、調子に乗って食いまくり、数ヶ月後にまたしても体重爆増、再び栄養指導を受ける事になるのだが。
それは、また別のお話。