毒親なんて頭の中で殺してしまえ
爆鬱状態に突入してから1週間強がたった頃、私は心療内科の受診日を迎えていた。
医師:最近調子はどうですか?
うさばら氏:順調に回復していたんですが、ここ1週間程はすこぶる体調が悪いです。朝全く起きあがれなくて、そのまま1日中布団の中にいる事もあります。
医師:何か思い当たるきっかけは?
うさばら氏:旦那の実家に帰省したんです。そこで母親って本来こんなに娘に優しく接するものなんだって知ってしまって、ショックだったんです。分かってはいたけど、うちのお母さんは異常なんだって。
すると主治医からこんな言葉をかけられた。
医師:お母さんの事、頭の中で殺してしまえば?
うさばら氏:それ、私も全く同じ事を考えていたんです。もう死んだ事にしようって。
何で私の心が分かるのだろうか。
心療内科医、恐るべし。
うさばら氏:それに母親だと思うから辛いんだって気づいたんです。だから私、これからはお母さんの事「あの人」って呼ぼうと思うんです。
医師:それがいいよ。
混乱してガチャガチャになった脳内が、冴えていくのを感じた。
抱えていた大荷物をかなぐり捨てて、身軽になった様だ。
そうか、私は一緒に母親を否定してくれる人を探していたのか。
そうしないと、幼少期の私があまりにもかわいそうだから。
「あなたは悪くないよ」と言ってあげないと、いつまでもあの頃を引きずって前に勧めないから。
これを機に、ひとまず爆鬱状態から抜ける事が出来た。