野田クリスタルと私
あれは今から11年前、お笑いサークルに所属している同じ大学の男性と交際していた。
そう、現在放送作家として結構活躍しているあの元カレだ。
彼には尊敬してやまない人物がいた。
サークルの先輩である鈴木さん、そう、あのマヂカルラブリーの村上さんだ(村上は芸名で、本名は鈴木)。
彼は、「マヂカルラブリーは本当におもしろい。だって今Bage(ビーアゲ)なんだよ?すごくない?」としきりに言っていた。
私はそれを聞く度に「Bageってなんだよ」と、イラついていた。
後々調べてみると、吉本無限大ホールで行われているバトルライブ「ageageライブ」の上から2番目のクラスという意味だった。
知らんがなと思った。
「お笑いオタクだけど吉本のライブには行かねぇ」という謎の尖りを見せていた私は、彼氏にいくら勧められてもマヂカルラブリーが出演するライブに行く事はなかった。
というか検索すらしなかった。
それが、出会ってしまった。
2008年M-1グランプリ敗者復活戦で。
真冬の大井競馬場に颯爽と現れた白タンクトップとピンクセーター。
ハチャメチャに面白かった(ネタは「いじめて~」)。
「そうだよな、私はこういう笑いが好きなんだよな、そうだよ、そうなんだよ!」と思った。
それからは、マヂカルラブリー単独ライブ、野田スクールクリスタル、村上さんがMCの地下大喜利ライブ、野田君の師匠にあたるモダンタイムスの主催ライブetc・・・とやりたい放題だった。
有給を使ってライブを観に行ったりもした。
当時、体育会系で有給が取りずらい雰囲気の会社に勤めていたので、架空の親戚が架空の死因で逝った事にした。
そんな中ある日、野田君が『魔法のiらんど』で書いているブログを、第一回から通しで読んでみようと思い立った(ちょくちょくチェックはしていた)。
そこにあったのは、壮大なドキュメンタリーだった。
15歳で芸人を志した少年の喜怒哀楽に溢れた日常が、疑似体験出来る。
映画で言うと『6才のボクが、大人になるまで。』に近い(言い過ぎ)。
野田君の人となりもよく分かる。
まさかこんなに「周りからどう思われているか」を気にしているとは。
ああいう芸風なのに。
こんなに打たれ弱くて大丈夫なのだろうかと心配になった。
あと、尖っているかと思いきやただのひょうきん者だった。
野田君が家族に優しく、家族も野田君に優しい点も良かった。
ハタチぐらいの頃、果たして自分は家族に優しく出来ていただろうか?と反省させられた。
ちなみに、『魔法のiらんど』は3月末をもってブログサービスを終了してしまうので、今の内に狂った様に読んで欲しい。
一応吉本の内々で作られた書籍版はあるが、今では入手困難だと思われる。
こういう事を書くと、「古参アピールしてんじゃねぇよ」と思う人もいるかもしれない。
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あぁそうだよ、古参アピールガッツリかましてるよ!
それの何が悪いんだバカ野郎が!
私みたいな妙齢の根暗お笑いオタクには、それぐらいしか誇れるものがないんだよ!
ブチ〇すぞ!
そして、野田君優勝おめでとう!