オープンチャット・クラッシャー現る
数ヵ月前、LINEのオープンチャットに関心を持ち、試しに鬱に関するグループに入ってみた。
しかし、話の展開の速さに全くついて行けず、早々に退会した。
圧倒的情報量と個々の熱量で脳がガチャガチャした。
自分にはオープンチャット向いてない･･･そう結論づけようとしていた頃、友人にあるグループを紹介された。
ちょっと変わった面白スポットを紹介し合うグループなのだが、私の趣味嗜好にピッタリ合っていて、すぐ虜になった。
やはり感性の近い者同士で集まるのは楽しい。
他のメンバーが新しい投稿をする度にワクワクした。
鬱で旅行が困難な為、どこかに行った気分にしてもらえるのもありがたかった。
最初は他のメンバーの投稿が素敵すぎて気が引けてしまい、閲覧のみに徹していたが、徐々に私も発言するようになった。
昔、東南アジア諸国で撮った面白スポットの写真をアップすると、反応は上々だった。
仲間として認められた気がして嬉しかった。
いつしか、オープンチャットは今の私が他者とコミュニケーションを取れる、数少ない場となった。
奴が来るまでは･･････
奴の名は椿（仮名）、人呼んで"オープンチャット・クラッシャー"（造語）、実態は東京住みの中年女性と思われる。
椿はテーマと全く関係ない内容を連投してくる。
最初こそ「テーマと関係ないかもしれないですけど･･･」と注釈をつけていたが、今ではもうお構いなしだ。
具体的には、ただ温泉に入って食事をした話、ただ桜の名所に行ってキレイだった話、ロッテリアの話、自分が明日夜勤だという話、自分と旦那は10個年が離れている話etc･･･
ほとんどのメンバーがスルーしているものの、一握りのお人好し（彼らに罪はない）が反応してしまうので、どんどん図に乗る椿。
会話の末尾が「だにー」「よーだ！」「来てからのお楽しみ♪」なのも鼻につく。
あまりのやりたい放題っぷりに、それまで作り上げてきた世界観は完全に壊れ、メンバーがどんどん退会する始末。
無言でも、みんな苛立っているのは明白だった。
椿はヤバイけどヤバ過ぎない為、追放出来ないのももどかしい。
他のメンバーに罵詈雑言を浴びせるでも、スパム・宣伝目的でもなく、ただただひたすら「空気の読めないおばさん」なのだ。
ずっと我慢してきたけどもう限界だ･･･
悔しいけど、私が好きだったあの頃には戻れないだろう･･･
私は泣く泣くグループを退会し、貴重なコミュニケーションの場を一つ失った。
